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競馬:世代間議論について

 日経新聞運動部の野元賢一さんのコラムは、僕が楽しみにしている競馬コラムの一つで、ファンの方も多いんじゃないでしょうか。

 日経記者らしい(?)データと考察を織り交ぜたすばらしいプレゼンテーションをいつも披露してるのですが、今日更新された記事は今年に入っての6歳馬の活躍を元に、日本馬産の能力が落ちてきているのではないか、との考察を載せてくれています。

 僕は基本的に、世代間議論はないものと思って競馬を楽しむことにしています。

 かといってその事実がないのかと言われれば、確かに世代によって強い弱いはあるかと思います。
 しかし結果論と総論に終始しがちな世代間議論は、自分がお金をかけて応援する馬に対して失礼と言うか、なんだか競馬に対しての興をそぐ気がして、あまり乗り気がしないのです。


 じゃあなぜここで世代間議論を論じようとしているかというと、野元さんのコラムを読んで、やはり世代間議論を一生懸命語るのは意味がないんじゃないかと思ったからです。

 会話の中で「ジャンポケの世代は強いね?」とか、「スペシャルウィークの世代は異常だよ」とかいった会話を楽しむのは一向に構わない、むしろ楽しい会話だと思います。
 しかし、「今年はレベル低いね」とか、「去年のほうが強かったね」とかいう意見や、さらに突っ込んで熱く論戦を張るようなマネは感心できない、ということを言っているつもりです。

 ま、競馬の楽しみは人それぞれ、比較論を楽しんでいる人にケチをつける権利はない、といわれればそれまでですが。
 みなさんの気分を害するつもりはなく、あくまで一個人の考え方としてお付き合いください。


 野元さんの分析によると、とにかく6歳馬が元気なんだそうです。
 確かにローエングリンやアドマイヤマックスなど、大きなレースを勝つ6歳馬は目立って元気です。
 こういった高齢馬の活躍から、野元さんは「段々と日本の馬が弱くなっているのではないか」と考察されているのです。

 特に今年は牡馬戦線に明確な主役がいるため、マスコミの論調はすぐに「近年最強世代!」との刺激的な見出しを打ちたがります。
 野元さんはそういった報道姿勢にも苦言を呈していて、いやむしろそういった軽率な論調を牽制するのが目的なのでは、などと思うところもあります。


 確かに最近、オープン馬の高齢化は顕著で、しかしそういった高齢の活躍馬はさほど多くのレースで消耗したというような馬もおらず、馬主サイドや厩舎サイドの考えで大事に使われる馬が多くなった、と考えることも出来ます。


 この「野元分析」で注目したのは、「99年組は98年組との比較ではやや小粒に見えたが、そんな世代が6歳になって年下の馬に立ちはだかっている。」という一文です。

 99年組はタニノギムレット世代。シンボリクリスエス世代といってもいいかもしれません。
 決して弱い世代ではないんでしょうが、かといって際立って強い世代という認識もありません。
 ちなみにこの世代の一つ年長は、かのアグネスタキオン、ジャングルポケット、クロフネ、マンハッタンカフェといった強豪揃いの世代です。

 強い世代といえば、近年ではなんといってもスペシャルウィーク、エルコンドルパサー、グラスワンダーの黄金の三騎率いる95年世代でしょう。
 この世代はTTG世代などともよく比較され、日本競馬史上でも屈指の好メンバーでした。

 その前年、サニーブライアン、サイレンススズカ、タイキシャトルといったメンバーを揃えた94年世代も相当に強力で、この二年間で生まれたサラブレッドは、日本で、そして世界で大活躍をし、今でも語り草になっています。

 最近の競馬の人気降下は、この辺りにもあるんじゃないでしょうか。

 94?95年世代のG1勝ち馬を並べてみれば、この世代がどんなに凄い世代だったのか、一目瞭然です。

 例えば、スペシャルウィークは明らかに三冠級の馬だったにもかかわらず、セイウンスカイに阻まれました。
 グラスワンダー、エルコンドルパサーの強さは誰もが認めるというのに、その2馬身前を伝説の名馬・サイレンススズカが馬なりで駆けてゆきました。

 97年から99年までの3年間で、僕がどれだけ度肝を抜かれたことか。
 競馬歴は多少長いつもりですが、過去あれだけ内容の濃いレースが凝縮された年は他に知りません。

 つまり94?95年世代の馬は、普通なら何年かかけて登場するはずのチャンピオンホースが、一挙に集中して登場した特殊な世代だと思うのです。

 ファンの間でもこの世代のインパクトは強烈で、各種掲示板を除いてみても、世代間議論が出るたびに、最終的にはこの世代の馬がどれか登場して、「○○までは及ばない」といった結論で締めくくられることが非常に多い印象があります。

 黄金世代と比較してしまうと、確かに最近の競馬は層が薄くなったような印象があります。
 シンボリクリスエスに対抗できたのは、タップダンスシチーだけ。
 ゼンノロブロイに対抗できるのも、タップダンスシチーだけ。
 デュランダルの強さは認めても、結果としては猫の目のようにレースごとに変わる短距離G1の勝者。
 そして現在のトップホースの誰もが、海外で結果を出せない現実。

 世代の中では大関級だったステイゴールドが、海外のチャンピオンホースだったファンタスティックライトをドバイで破った事実を、いったいどう説明すればいいんでしょうか。

 レースごとに勝者が代わる競馬は、馬券的には妙味があって面白いかもしれません。
 しかし勧善懲悪が好まれる日本では、どうしても核となるチャンピオンホースを求めてしまいがちです。
 さらにその年ごとにチャンピオンが変わるなら、世代間論議が出るのも無理はありません。
 ファンは皆、圧倒的に強い馬がどう勝つか、あるいは高いレベルのライバル同士がしのぎを削って戦う、内容の濃いレースが見たいのです。
 有馬記念が終わったあと、その年の競馬の質はどうだったのかを考えるとき、確かに世代間議論が一番手っ取り早いでしょう。


 しかし、世代間議論を繰り返していくと、必ずスペシャルウィーク世代に行き着いて、議論はそこで止まります。
 さすがにオグリキャップやトウカイテイオーまで引っ張り出す人はいないでしょう。
 テイエムオペラオーという名馬もいますが、G1を7勝したこの馬も、評価となればエルコンドルパサーやタイキシャトルの後塵を拝してしまいます。

 僕はこの世代間議論というやつは、結局のところ有無を言わせぬ屈強な名馬同士の競演を期待するファンの意思表示なんじゃないかと思います。

 その一つの回答が、97年から99年までの黄金の3年間であり、キラ星のごとくスターホースが駆け巡ったあの時代をもう一度みたいという願望の捌け口なのではないでしょうか。

 正直、2000年以降のG1勝ち馬の中には、あの黄金世代に生まれていたらG1は取れなかっただろうな、と思う馬が僕にもいます。
 しかしそれを考え始めたら、競馬自体が成り立ちません。


 あの時代のほうが異常なのであって、1頭か2頭のチャンピオンがいる今の状態のほうが普通なんでしょうね、きっと。
 実際、馬場が固くなってきているのを差し引いても、レースのレベル、勝ち馬のレベルは年々向上していると思います。
 過去の名馬を語るのも楽しいですが、純粋に目の前の馬達のポテンシャルを楽しむほうが、競馬はより楽しい気がします。


 また、調教技術の向上で過度なトレーニングを防止できるようになりましたし、番組の整備のおかげで、どの馬も無理に3歳クラシックを使う必要もありません。

 昔はクラシックと天皇賞が全てでしたから、期待馬は是が非でもそこを目指すしかなかったわけです。
 朝日杯をレコードで勝った馬が、距離が合わないといって弥生賞に出ないようなことになったとしたら、どういう非難を浴びることになったかは容易に想像できます。

 今はファンのほうも距離適正や馬場適性に理解があるので、適正に合わない使い方は返ってファンの非難を浴びるかもしれません。
 エアグルーヴの仔であっても、長距離に適性が無いとわかれば、ファンはNHKマイルや安田記念に出走することを望むでしょう。

 調教技術が上がった現在でもクラシックに間に合わないのであれば、無理して3歳春を過酷なクラシック戦線で過ごさなくともよい、身体が出来てからでもよいと考える馬主、調教師がいても、何の不思議もありません。

 以前はサクラバクシンオーですら皐月賞を目指していたのですから、これは長足の進歩です。

 また、消耗の少ないトレーニング方法は効率よく身体を鍛え、伸び代の少なくなった高齢馬でさえも、調教である程度の性能向上が望める時代です。
 さらに競馬医学の進歩により、骨折や屈腱炎を克服し、重賞を勝つまで復活させることも可能になってきています。
 当然、競争の寿命は長くなり、本来ならクラシック戦線で能力検定が終了するところを、その後の活躍でも充分に認められる環境が出来つつあるわけです。


 こういう状況では、世代間議論にどこまで意味があるか、僕にはよくわからなくなってきてしまいます。


 世代間議論=クラシックと考えるならば、その年の総決算として、年末に「今年のクラシックのレベルはいったいどの程度だったのか」と考えるのも楽しいものだと思います。

 しかし行き過ぎた世代間議論、例えばG1に勝った馬を、「レベルが低いから認められない」などといった暴論に発展してしまうと、競馬自体を楽しめなくなってしまいます。

 去年の3歳世代は、確かに今年の重賞戦線で年長組の後塵を拝しているかもしれません。
 しかし中にはあえて調教の密度をセーブしている馬もいるでしょうし、本格化していない馬もいるでしょう。
 来年、あるいは再来年にキングカメハメハ世代がG1戦線を席巻するかもしれません。
 ですが、もしそうなったからといって年々馬が弱くなっていると考えるのは、昔と今の競馬事情を混同しているようにも思えます。

 僕は基本的に、年々馬は強くなっていると思うようにしています。
 中には時代を超越するようなスーパーホースもいるでしょうが、基本的には十年一昔。
 調教技術も医学も遺伝学も進歩しているのです。その結果がないとはとても思えません。

 先日、ディープインパクトが圧倒的な強さで皐月賞を勝ちました。
 この馬など、過去の名馬にはなかなかいないタイプの馬ではないかと思います。
 多少ゲートに手こずるところもありますが、気性の穏やかな馬だと聞いていますし、古馬になるにつれ、その弱点も解消されるのではないでしょうか。
 そしてこの馬には、関係者のたゆまぬ努力と、最新の競馬技術が注ぎ込まれているはずです。

 競馬は進化していると思います。
 まだ桜花賞、皐月賞が終わったばかりだというのに、世代間議論を始めるのは気が早すぎないかな。
 そんな気がしました。
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  1. 2005/04/19(火) 23:47:35|
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